現場で学ぶことの重要性~インターンシップ~

こんにちは。

東京都板橋区を拠点に消防施設工事業・管工事業を営んでおります奥崎工業株式会社です。消防施設工事業は、消防法で定められている消防用設備等を建物に設置し、正常な状態が維持できるようにメンテナンスしていく、とてもやりがいのある仕事です。奥崎工業は消防用設備の中でも消火設備に特化した工事業務を行っております。


 弊社は、我々が従事する消火設備に関する工事業務について、その仕事内容や業務内容について広く知ってもらい、理解を深めてもらう、その働きかけとして積極的にインターンシップの受け入れなどをさせていただいています。この活動は、求人活動の一環としてだけではなく、学生が将来を思い描く上でも価値ある機会になれば、という思いから取り組んでおります。真夏の暑い時期ですが、職業能力開発総合大学校の学生がインターンシップとして就業体験に来てくださいました。写真は、職長が学生に対して配管材のネジ切り加工に使用する旋盤の使い方をレクチャーしているところです。


インターンシップの目的

 職業能力開発総合大学校におけるインターンシップの目的は、「就業体験を通して、実際の業務体験や現場の見学をしながら、より実践的な学習を行うことで、企業の果たす役割について理解し、生徒一人ひとりの勤労観、職業観の育成を図る。」ことだといいます。とても良い取り組みだと思います。知識として知っておくことも大切ですが、実際に体験して実態を知り、就労観を養うことはとても重要です。そもそも職業能力開発総合大学校は、職業訓練指導員の養成・研修等を目的に国が設立した大学校であり、ものづくり分野の職業訓練指導員の養成・研修などを使命とし、生産現場の核として活躍できる人材を育成することを目的としているとのことです。さらには、高度なものづくりのための実習中心の実践的授業とあわせて、文部科学省による大学設置基準と同等の教育課程を学ぶことができるとのことで、大学と同じように総合課程卒業時に学士号が取得でき、日本で唯一の「学士(生産技術)」の学位が授与されるとのことです。ものづくりに関わる人材の育成に対して深く追求しており、ものづくり分野に特化した教育が受けられ、優れた技術者を育成、輩出できる、環境の整った教育機関だと感じました。

 今回は、電気学科1名、建築学科1名の計2名の学生を受け入れました。2年生ということもあり、これから就職活動が始まるという時期にあたり、近い将来を考え始める時期にあたります。学生たちも、はじめてのインターンシップということでとても緊張していました。また、建築業界についてはあまり詳しくはないとのことで、不安も大きかったと思います。我々としても、どのような実習を行うことが学生たちにとってベストなのか試行錯誤しながら実施しました。建設業界の仕事は生活に直結している業務ばかりなので、インターンシップを通して我々の仕事をより身近に感じてもらう良いきっかけになればと思いました。私自身、学びは現場にある。ということが念頭にあります。すべては現場で物事が進められ決まっていくので、まずは現場の中に身を置き、実際に見て感じて学んでいくということが大事だと思っています。


企業実習の流れ

 企業実習は、8月25日(月)から29日(金)にかけて5日間で行いました。

8/25(月) 1日目

 初日は、建設業界、建設現場に関わる基本的な知識や消防施設工事業に関する基礎的な知識を学ぶ実習からはじめました。何も知識もなく、いきなり現場に出るというわけにはいきません。また、それにあわせて業務の内容について実体験を織り交ぜつつ説明させていただきました。

 はじめに、わかりやすく建設業界のことが解説されている書籍を参考に、建設業界にはどのような役割を持った人たちが関わり、どのような体制で工事が行われ、どのように工事が進められ、どのような業種・職種の人々が関わっているのか、建設業界のしくみについて説明しました。

 次に、送り出し教育を行い、参考資料をもとに安全面について説明しました。現場に入場する上では安全に関する知識が必要であり、安全に対する意識を高めておく必要があります。基本的な安全に関する知識はもちろん、現場においては気付かないところに危険がひそんでいます。危険を洗い出した上で現場作業にのぞむ必要があります。どのような危険がひそんでいるのか、災害や事故がどのようにして起こってしまうのか、その原因には何が挙げられるのか、危険を回避する上でどのような対策が必要なのか、どのような安全面に対する取り組みが必要なのか、建設現場内での服装や装備、必要な保護具などについて説明しました。

 そして、わかりやすく消防用設備などのことが解説されている書籍を参考に、弊社の業務である消防施設工事業の仕事について説明を行いました。消防用設備などについて、消火設備について、消防設備士について、その業務内容について、仕事としてどういった意義、やりがいがあるのか、などのことについて解説させていただきました。


8/26(火)~27(水) 2日目

 2日目と3日目は、大規模改修工事に参加してもらいました。

 大型複合施設の駐車場における泡消火設備の機器を交換する工事で、機器の交換とともに機器に接続している配管を更新していく工事でした。現場作業になるので、まずは作業で用いる工具や材料、作業で必要となる資格証などの説明をしました。作業をするにも用いる工具や材料を覚えなくてはなりません。また、建設現場においては、作業を行う上で資格が必要となる作業もあります。どんな資格が必要なのか建設業界で働く上では知っておかなければなりません。たとえば、高所作業車を用いた高所での作業になると高所作業車運転技能者の資格証が必要です。

 次に、工事で行う作業について作業手順を共有することの重要性について説明しました。工事にあたっては、ひとつひとつの作業に対して作業手順書の作成し、その内容を全員で共有した上で作業を進めます。作業手順書は、特定の作業について正確かつ安全に実施するために手順をまとめた手順書であり、作業員が作業を行う上で用いる作業に関する説明書になります。それぞれ異なる作業員が同じ手順で作業を進めることができ、認識のズレによる作業ミスや作業ロスを防ぐことを目的としています。品質の向上や安定化、作業効率の向上や円滑化などの面に有効的に働き、実施することで事故や災害を未然に防ぐことにも繋がります。特に設備工事に関する作業については、建物の機能に関わってくる作業も多くあります。建物内では多くの利用者の方々が生活しているので、設備の誤作動などが無いように気を付けなくてはなりません。そのため設備の機能に関する知識も必要になってきます。

 実際の作業においては、施工管理の補助として実際に設備を操作したり、現場作業員(配管工)の補助として現場作業員(配管工)たちの作業の様子を見ながら、物を運んだり、工具や材料を手渡したり、ネジ切り旋盤を操作して配管材の加工を実践してもらったりと、補助作業員として参加してもらいました。機器や配管材が、撤去されて、あらたに更新されていく様子や設備が実際に機能する様子が見れたので参考になったのではないでしょうか。作業を進めていく上でのコミュニケーションの重要性を理解していただけたと思います。


写真:泡消火設備の手動起動装置を操作している様子


写真:配管材の加工方法について説明している様子


写真:旋盤を操作し、配管材のネジ切り加工をしている様子


8/28(木) 4日目

 4日目は、新築工事の現場見学を行いました。見学したのは都内の大型複合施設の建設現場です。取引先の担当者の方に案内していただき、説明を受けながら見学を行いました。建設現場では、外装工事、内装工事、設備工事が進められており、様々な業種の仕事を見学することができました。1日目に基礎知識として学んだことを実際に目の当たりにすることができ、働く場所としての実態が見れたので、建設業界で働くことに対するイメージが明確化できるとても良い機会になったと思います。また、新築工事の規模感を感じることができたと思います。


写真:現場内を見学している様子


8/29(金) 5日目

 5日目は、小規模改修工事に参加してもらいました。

 高齢者介護施設の全面改修工事における屋内消火栓設備の機器と配管を更新する工事です。内装工事が進められている最中の現場であり、床や壁に出された基準墨をもとに壁や天井に関する軽量鉄骨下地が組まれている状態であったため、内装工事がどのように進められているのか実際に見ることができました。そして、内装工事が進められている中で、設備工事がどのように関わり、機器の取り付けをどのように行うのか、その手順を説明しました。

 2日目、3日目の大規模改修とは異なり工事の物量も少ないですが、工事にも様々な内容、規模のものがあることを知ってもらえればと思いました。


インターンシップを行う意義

 5日間の短い実習でしたが我々にとっても濃密な実習期間を経験することができました。最後は打ち上げにも参加してくださり、楽しい時間を過ごすことができました。笑顔も見れて、打ち解けることができて本当に良かったなと安心しました。学生の方々には少しでも我々の仕事に興味を持ってもらえていたら良いなと思います。

 学生生活の後半になるにつれて、学生にとっては自身の将来について正解の無い答えを導き出さなければならない状況におかれることとなり、不安に感じる部分が多くあると思います。あわせて、これから社会で活動する上での不安も大きいと思います。大きな選択をしなければならない局面にさしあたり、心が大きく揺れ動く大変な時期だと思います。

 答えを導き出すためには純度の高い情報を集めることが重要ですが、少しでも不安を取り除くため学生自身が動き回ってたくさんの情報を集めると思います。しかしながら、情報を集める方法がいくつもある中で、どうしても表面的な情報が多く、都合の良い情報ばかりが溢れてしまっているようにも思えます。まずは実態や実状を知ることが大切であり、それらを実際に体感することが重要だと思います。インターンシップは学生が純度の高い情報を得る上で重要な機会だと思います。

 社会は、理不尽で成り立っている部分が大きいですし、理不尽をふまえつつも自身で選択していかなければならない物事が何度もたたみかけてきますが、就職活動はそのことを実体験する第一歩のようにも思います。就職活動が本格化するまでに、社会や仕事に対する知識や理解度を深められるような機会を得て、思い描いている理想と実態・実状との差異をできる限り解消できるような経験が重要になってくると思います。

 どの分野においても高齢化や少子化が進む中で、人材不足が早急な課題としてあげられており、さらに若手離れや離職率など、若い働き手が流入してこない、就職してもすぐに辞めてしまう、といったような課題があげられていますが、建設業における余分に深刻な側面として技術者の育成が挙げられます。建設業は、人手があれば良いというわけにはいかず、「ものつくり」には専門性を持った高い技術力や技能を備えた技術者の手が直接的に必要であり、それらがなくては成立しません。技術者の育成にも時間と労力が必要です。技術・技能を習得する上では個人に委ねざるを得ない部分も大きいですが、学生たちは若く可能性に満ち溢れています。「手に職をつける」とよくいわれていますが、それがどういうことを意味するのか、実際の現場を体感すれば見えてくることもあります。そういった面においてもインターンシップの経験は重要だと思います。

 

 我々が従事する消火設備に関する仕事に興味ある方は、遠慮なくご連絡いただければと思います。仕事内容や業務内容、業界について解説、説明させていただきます。また、会社見学、現場見学も随時、受け付けておりますので、ご連絡いただければと思います。

 職業能力開発総合大学校の先生や参加いただいた生徒の方々、また、インターンシップに協力してくださった方々、貴重な機会をもうけていただき本当にありがとうございました。

今回参加してくれた学生2名の今後の活躍に期待したいと思います。いつか一緒に仕事できると良いな…と感じました。最善の答えが見つかると良いですね。


【HP 奥崎工業採用ページ】

https://recruit.careecon.jp/co/okuzaki-kogyo


【indeed 奥崎工業採用ページ】

https://jp.indeed.com/cmp/%E5%A5%A5%E5%B4%8E%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE-1


【engage 奥崎工業採用ページ】

https://en-gage.net/gns-net_jobs/?msockid=3a21a5fde04962b0133ab585e1356332