新規物件における改修工事に向けて

こんにちは。

東京都板橋区を拠点に消防施設工事業・管工事業を営んでおります奥崎工業株式会社です。

 最近は、仕事をしていてよかったなぁ、と改めて「仕事のやりがい」を感じる出来事がありました。それは、仕事で繋がる縁の輪です。

 長くお付き合いさせていただいている主要取引先のお客様からのご紹介により、新規物件の消火設備に関する改修工事を請け負わせていただくことになりました。工事の依頼主は、新規のお客様であり、今後、継続的に取引させていただくことになりました。

 先日、新規取引先の工事担当者の方と顔合わせを行いました。業務に取り組む上では何事も初めての時には不安もあり、期待もあり、といった心境で、いつも以上に身構えてしまいますが、工事担当者の方が工事に向けて丁寧に対応してくださるので、安心して打ち合わせすることができました。何より、まずは我々がきちんとした対応ができるように気を引き締めて業務にあたらなければならない、と改めて感じました。

 情報や資料もない、まったくはじめての現場ということもあり、工事担当者の方が立ち会いのもとで現場調査を行いました。工事対象物件の建物は、地下3階地上16階塔屋2階建ての築30年の事務所ビルで、消火設備もかなりの年数を経ています。取り付けられている配管や機器類も交換更新すべき時期を経てしまっているので、工事を行うことによって不具合が生じないように慎重に取り扱わなければならず、細心の注意が必要です。

 まずは、竣工図書から建物の概要、規模、構造、用途、立面図、断面図、平面図を確認し、消火設備の概要表、系統図、平面図などから、消火設備がどのように設置され、どのような仕組みになっているかを確認しました。これらの情報は、所轄消防署へ提出する届出を作成する上でも必要な情報にもなります。そして、それら資料と対照しつつ、現地にて実際の消火設備の設置状況や状態を確認しました。

 竣工図書は新築時にまとめられた情報であるため、その後30年の間に大きく変わってしまっている部分もあるかもしれません。また、竣工図書の情報と現地との間に整合性が保たれているどうかも確認しなければなりません。その見極めが重要です。

 今回の工事はテナントフロア(専有部分)における入居工事になります。設計が作成した設計図(レイアウト図)をもとに建築業者が間仕切りを造作し、それに対して各設備の設備業者が空調設備や電気設備、衛生設備、防災設備などの工事を行います。防災工事は消防法を遵守した計画にしなければなりません。当社はスプリンクラー設備の工事を担当するので消防法を意識してスプリンクラーヘッドを増設する、移設する、撤去する、などの事前検討を行う必要があります。今回の場合は、竣工図と現地のスプリンクラー設備の設置状況や状態に整合性がなかったため、現地にて天井内を覗き見て、スプリンクラー設備の配管ルートやスプリンクラーヘッドの位置を図面に落とし込み、現状の設置状況を図面化しました。現状の図面ができると、実際に工事を行う上での検討を始めることができます。

 次に、工事を行う上での注意点などを現地から抽出しなければなりません。地下にある消火ポンプやポンプ制御盤、防災センターにある制御盤、工事フロアにある流水検知装置や制御弁、末端試験弁など工事に絡む機器類の確認をしました。いずれも新築時の古いままの機器類でしたので、経年劣化もあり、工事を行うことによって不具合が生じる可能性もあります。そこで想定される不具合と、それに対してどのような対策が必要で、どのような対応をするか、などのことを取引先の工事担当者、ビルの管理者などに申し送りをしました。また、それに併せて、工事を行う際の対策も想定しました。これから工事を行う予定ですが、その対策が実際に有効に働くかも見極める必要があります。とにかく、不足の事態がないようにあらゆる事態を想定し、問題なく工事を完了したい思いです。

 今後の工事の際においても同じ手順を踏んで、現状に則した情報の蓄積、図面の作成を行います。そして、建物の維持を行っていく上で活用できるような資料の作成や情報の蓄積を行い、工事を行う上でのマニュアルを構築していく必要があります。

 新規物件の現場は、工事を行う上で何が起こるかわかりません。だからこそ、我々が抱える問題点や課題を的確に見つけ出し、お客様や工事関係者の方々と共有する必要があるのです。

 今回は、長くお付き合いさせていただいているお客様が繋いでくださった縁により、新規物件の工事に関わらせていただくことになりました。その縁がさらに広がっていくように、引き続き誠実に対応し、少しでも業務の質が向上するよう、丁寧に対応していきたいと思います。